初潮(はつしお、はつしほ) 仲秋
【子季語】
初汐、葉月潮、望の潮、秋の大潮
【関連季語】
秋の潮
【解説】
旧暦八月十五日の大潮を指す。春の大潮は昼が高くなるが、秋の大潮は、夜間もっとも高くなり、中秋の夜の名月のころに満潮を迎える。
【来歴】
『俳諧御傘』(慶安4年、1651年)に所出。
【実証的見解】
潮の干満は、月や太陽の引力によって引き起こされ、地球に一番近い「月」の運動がもっとも大きく影響する。潮の干満差の大きい「大潮」は新月と満月の前後数日にあたり、その後、「中潮」、「小潮」、「長潮」とおだやかになり、「長潮」の翌日の「若潮」から再び「大潮」に向かって、潮の干満差が大きくなる。
【例句】
初潮や鳴門の浪の飛脚舟
凡兆「猿蓑」
初汐や夜る夜るつのる山颪
北枝「屠維単閼」
初潮や旭の中に伊豆相模
蕪村「落日庵句集」