新酒(しんしゅ) 晩秋
【子季語】
今年酒、早稲酒、新走り、利酒、聞酒、新酒糟
【解説】
その年の新米で醸造した酒。昔は、新米が穫れるとすぐに造ったので、秋の季としたが、今は寒造りが主流となった。とはいえ、新米の収穫のめでたさを祝う思いがこの季語には含まれる。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【例句】
旅人となりにけるより新酒かな
才麻「椎の葉」
風に名のついて吹くより新酒かな
園女「夢の名残」
父が酔ひ家の新酒のうれしさに
召波「続明島」
八兵衛が破顔微笑やことし酒
一茶「九番日記」
青竹の筒ひびかせん新走り
長谷川櫂「初雁」