新米(しんまい) 晩秋
【子季語】
今年米、早稲の飯、古米
【解説】
その年に収穫した米で十月ころに出回る。手塩をかけて育てた米が、無事、今年も収穫を迎えた、そうした喜びの思いがこの季語にある。各地の秋祭は、新米の収穫に感謝し、新米を神に供える行事である。
【例句】
新米にまだ草の実の匂ひかな
蕪村「蕪村庵日記」
熊野路や三日の粮の今年米
蕪村「明和五年句稿」
新米の酒田は早しもがみ河
蕪村「蕪村翁句集」
馬渡す舟にこぼるゝや今年米
几董「井華集」
新米の膳に居るや先祖並み
一茶「八番日記」
新米の俵も青き貢かな
内藤鳴雪「鳴雪俳句鈔」
新米といふよろこびのかすかなり
飯田龍太「百戸の谿」
大阪の備へ頼もし今年米
長谷川櫂「初雁」