【子季語】
木炭、黒炭、堅炭、軟炭、炭の香、鞍馬炭、小野炭、佐倉炭、炭納屋、炭挽く
【解説】
木炭のこと。楢、檪、栗、樫などの材を炭焼竈で蒸焼にした燃料用材。樹木に水気の乏しい冬季が炭焼の季節であり、炭を焼く白い煙には山里の風情がある。現在では主に料理、茶の湯などで用いられる。かつては冬の暖房用として欠かせぬものであった。
【例句】
小野炭や手習ふ人の灰せゝり
芭蕉「向之岡」
更くる夜や炭もて炭をくだく音
蓼太「蓼太句集初編」
朝晴れにぱちぱち炭のきげんかな
一茶「七番日記」
炭出すやさし入る日すぢ汚しつゝ
芝不器男「芝不器男句集」
丹念に炭をつぐ妻老いにけり
臼田亜浪「亜浪句鈔」