山茶花(さざんか、さざんくわ)初冬
【子季語】
姫椿
【解説】
日本固有のツバキ科の常緑小高木で、枝先に白か淡紅色の五弁の花を開く。園芸種として八重咲きや濃紅・絞りなどもある。
【科学的見解】
山茶花(サザンカ)は、ツバキ科ツバキ属の在来植物であり、山口・高知・長崎・熊本・鹿児島・沖縄などの地域で生育している。ヤブツバキと同様に、多くの園芸品種が作出され、公園や庭木として植栽されている。近縁種としてヒメサザンカが存在するが、ヒメサザンカは沖縄にしか自生していない。(藤吉正明記)
【例句】
山茶花を旅人に見する伏見かな
西鶴「蓮の実」
山茶花や雀顔出す花の中
青蘿「青蘿発句集」
さざん花に囮鳴く日のゆふべかな
言水「京日記」
山茶花に雨待つこころ小柴垣
泉鏡花「鏡花全集」
山茶花のこゝを書斎と定めたり
正岡子規「子規句集」
山茶花を雀のこぼす日和かな
正岡子規「子規句集」
山茶花のみだれやうすき天の川
渡辺水巴「白日」
山茶花やいくさに敗れたる国の
日野草城「旦暮」
山茶花のととのふときのなかりけり
長谷川櫂「虚空」