豌豆(えんどう、ゑんどう)初夏
【子季語】
莢豌豆、絹莢、グリーンピース
【解説】
マメ科つる性の一年生または二年生の作物。三、四月頃に花が咲 き、初夏に莢を結ぶ。莢豌豆の薄みどり色は新鮮で美しい。散ら し寿司などの彩りに利用される。豆ご飯も美味。莢が柔らかいの は絹さやと呼ばれる。
【科学的見解】
エンドウには、シロエンドウもしくはアカエンドウの二グループが存在する。両者は、ともにヨーロッパ原産のマメ科の越年草で、食用として広く栽培されている。花芽形成には冬の寒さが必要なため、秋に種子を撒き、初夏に開花・結実する。花は、マメ科特有の大型蝶形花をつけ、白色と紅紫色が存在し、種子と若い果実を食用にする。品種としては、未熟の種子を食用にするグリーンピースや若い莢を食用にするサヤエンドウなどが知られている。(藤吉正明記)
【例句】
豌豆摘み下田通ひの船に佇つ
臼田亜浪「定本亜浪句集」
豌豆の煮えつゝ真玉なしにけり
日野草城「旦暮」
きぬさやをさつと炒めて朝の皿
長谷川櫂「蓬莱」