秋の七草(あきのななくさ)三秋
【子季語】
秋七種、秋の名草
【解説】
秋の野に咲く代表的な草花で、万葉集の山上憶良の歌「萩が花尾 花葛花撫子の花女郎花また藤袴朝顔の花」による。現在は朝顔の かわりに桔梗が入る。
【科学的見解】
秋の七草として知られている種は、萩類(ヤマハギ)、ススキ、クズ、カワラナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウとなっている。この内、ヤマハギ、ススキ、クズの三種は、秋の野山でふつうに見ることができるが、その他の四種は現在絶滅危惧種になっており、野山の自生のものを見るのは難しい。しかし、園芸目的で庭先や公園などには植栽されている場合がある。(藤吉正明記)
七草や露の盛りを星の花
鬼貫「七車」
七くさや酢味噌遁れて秋の花
言水「初心もと柏」
入口に七草植ゑぬ花屋敷
正岡子規「季語別子規俳句集」