沢瀉(おもだか)仲夏
【子季語】
面高、花慈姑、生藺
【解説】
オモダカ科の水草。沼、池等の水中に自生する。根から矢じり形 の特徴のある葉が出て葉の間から花茎をのばし三片の白い涼しげ な花を咲かせる。
【科学的見解】
オモダカは、北海道から琉球、及びアジアの温帯から熱帯に広く分布する湿地性の多年草で、水田や池などで見られる。矢じり形をした葉が特徴的である。近縁の変種に中国原産のクワイがあり、その根には食用となる球茎が形成される。また、オモダカに極めて姿かたちが似た種として、アギナシが知られている。(藤吉正明記)
破れ壺におもだか細く咲きにけり
鬼貫「大丸」
沢瀉や花の数添ふ魚の泡
太祇「太祇句選」
沢瀉は水のうらかく矢尻かな
蕪村「落日庵句集」