冬瓜(とうが、とうぐわ)初秋
【子季語】
とうがん、かもうり、冬瓜汁
【解説】
熱帯アジア原産のウリ科の一年草。果実は淡緑色、楕円形でとても大きい。熟して淡緑色の外皮が白いろう質におおわれた頃に収穫する。長い貯蔵に耐え、半年ほどももつという。煮食、葛あんかけ、汁の実などにして食べる。白い果肉は煮ると透きとおって涼しげ。淡泊な味わいで、独特の食感がある。
【科学的見解】
熱帯アジア原産のトウガンは、ウリ科のつる性一年草で、西日本を中心に広く畑で栽培されている。果実は大きく、若いうちには毛が生えており、大きくなると表面に粉をふいたようになる。収穫後、長期保存ができるため、秋から冬にかけて煮物として食されている。(藤吉正明記)
【例句】
冬瓜やたがひにかはる顔の形
芭蕉「西華集」
冬瓜汁空也の痩を願ひけり
白雄「白雄句集」
冬瓜のころげて荒るる畠かな
村上鬼城「定本鬼城句集」
冬瓜は石の枕のごとくあり
長谷川櫂「果実」
透けるともなく冬瓜の煮上がりし
高田正子「玩具」