鶉(うずら、うづら)三秋
【子季語】
片鶉、諸鶉、鶉の床、鶉斑、駆鶉、鶉野
【解説】
体長約二十センチのキジ目キジ科の鳥。川原の草むらに隠れてなかなか出てこない。鳴声が特徴的で、その鳴声で秋の情趣を感じる。食用・採卵用に飼育される。
【例句】
鷹の目もいまや暮ぬと鳴鶉
芭蕉「芭蕉庵小文庫」
夢に聞くはうつら鶉のねみみかな
季吟「山の井」
伏見には町屋の裏に鳴く鶉
鬼貫「大悟物狂」
桐の木に鶉鳴くなる塀の内
芭蕉「猿蓑」
瓦やく烟にむせて啼くうづら
許六「正風彦根躰」
夕暮をおもふままにも啼く鶉
惟然「泊船集」
縫物に針のこぼるる鶉かな
千代女「千代尼句集」
鶉野や聖の笈も草がくれ
蕪村「明和七年句稿」