四十雀(しじゅうから、しじふから)三夏
【解説】
雀くらいの小鳥で全国に分布し、春から夏にかけてツツピー、ツツピーと高く鳴く。黒い頭部、緑黄の背、白い腹をしている。山地に棲むが、ときには市街地にも飛来してくる。
【科学的見解】
シジュウカラは、シジュウカラ科の鳥類で、全国的に留鳥として生息しており、最も身近なカラ類である。近年の研究では、鳴き声をまとまりで認識する言語能力があることが科学的に証明され、話題となった野鳥でもある。例えば、「ツツピー」は警戒を促す鳴き声、「ジジジジ」は仲間を集める鳴き声等が知られている。産卵期は、四月から七月で、七個から十個程度産卵する。営巣は樹洞などを利用するため、巣箱を設置すると繁殖に利用する。(藤吉正明記)
【例句】
老の名のありとも知らで四十雀
芭蕉「許六宛書簡」
四十雀つれわたりつつなきにけり
原石鼎「原石鼎全句集」