椎茸(しいたけ、しひたけ)三秋
【子季語】
椎茸干す、茸干す、干茸
【解説】
今は一年中出回っている椎茸だが、本来春と秋の二回、椎、樫くぬぎなどの広葉樹の枯木に発生する。現在ではほとんど榾木に菌糸を植え栽培する。生、干椎茸のどちらも我々の食事に馴染深い茸である。
【科学的見解】
椎茸(シイタケ)の栽培は、野外での原木栽培と室内でのオガ屑栽培に分けられる。野外での原木栽培の場合、シイタケは秋と春の低温(十度から二十度)・湿潤時にキノコ(子実体)を発生させるため、秋だけではなく春先にも発生のピークがある。自然条件をいかした野外原木栽培では、この現象が見られる。一般的に原木には、ブナ科のクヌギやコナラの木材が使用される。(藤吉正明記)
干茸に時雨れぬ日とてなかりけり
松本たかし「松本たかし句集」