初冬(はつふゆ)初冬
【子季語】
孟冬、上冬、冬の始
【解説】
陰暦十月の名称。陽暦の十一月頃で、冬を初冬、仲冬、晩冬と三区分した時の初めに当る。大気はひんやりとしているが、紅葉が残っていたり、米作りの済んだ田が広がっていたりする。秋の名残を惜しみつつ冬に向かう頃。
【例句】
初冬や訪はんと思ふ人来ます
蕪村「落日庵句集」
初冬や日和になりし京はづれ
蕪村「蕪村句集」
初冬や空へ吹かるる蜘の糸
召波「五車反古」
はつ冬やふたつ子に箸とらせ見る
暁台「暁台句集」
はつ冬の山々同じ高さかな
鳳朗「鳳朗発句集」
初冬や藪潜りして鳴かぬ鳥
天涯「寂砂子集」
初冬や干葉に塞がる小屋の口
篠原温亭「温亭句集」
湯にゆくと初冬の星座ふりかぶる
石橋秀野「桜濃く」