【子季語】
春野、はるぬ、弥生野、春郊
【解説】
春、雪が消え、草木が芽吹き、日に日に緑に染まってゆく野をいう。
【来歴】
『改正月令博物筌』(文化5年、1808年)に所出。
【文学での言及】
春の野にすみれ摘みにと来し我ぞ野をなつかしみ一夜寝にける 山部赤人『万葉集』
春の野に霞たなびきうら悲しこの夕かげに鶯うぐひす鳴くも 大伴家持『万葉集』
【例句】
春の野に蹲踞てゐるわかな摘
鬼貫「俳諧七草」
起ふしに眺る春の野山かな
闌更「半化坊発句集」
春の野や何に人行き人帰る
正岡子規「春夏秋冬」
吾(あ)も春の野に下り立てば紫に
星野立子「笹目」