【子季語】
のりうつぎの花/のりのきの花/花さびた
【解説】
ユキノシタ科アジサイ属の落葉潅木。山地に自生し、七月から八月にかけて額の花に似た白い花をつける。皮にある粘液で糊を作り、それを和紙の原料の楮に混ぜて使ったため糊空木の和名がある。
【科学的見解】
サビタの標準和名は、ノリウツギである。本種は、北海道から九州に分布する落葉樹である。本種は、温帯林の先駆樹種であり、伐採跡地などに最初に出現し、優占する。山地などの林縁部分に多く見られる。近縁種としては、花序に装飾花がないヒダカノリウツギや葉の両面に毛を密生させるビロードノリウツギなどが知られている。(藤吉正明記)