六月(ろくがつ/ろくぐわつ) 仲夏
【子季語】
六月来る
【解説】
六月と言えば、ほぼ梅雨の時期に当たる。じめじめしていやな季節である一方、稲作には貴重な水をもたらしてくれる。山々は緑におおわれ、夜は蛍が飛び、紫陽花や菖蒲などが花開く月でもある。
【例句】
六月や峰に雲置くあらし山
芭蕉「句兄弟」
六月の汗ぬぐひ居る台かな
越人「波留濃日」
六月を奇麗な風の吹くことよ
正岡子規「季語別子規俳句集」
六月の海見ゆるなり寺の庭
正岡子規「季語別子規俳句集」
河口や六月の雲涌上がる
篠原温亭「温亭句集」
六月の女すわれる荒筵
石田波郷「雨覆」
六月の日に晒したる手足かな
長谷川春草「春草句帖」
六月の氷菓一盞の別れかな
中村草田男「長子」
雲のぼる六月宙の深山蟬
飯田龍太「春の道」