竹婦人(ちくふじん) 三夏
【子季語】
竹夫人/抱籠/添寝籠/竹奴
【解説】
寝苦しい夜に抱きかかえて寝る竹を編んだもの。円筒状で丈は一メートルから一メートル半くらい。風通しがよく涼しい。
【例句】
忘れては雪女かと抱籠をば
重頼「名取川」
抱籠や一年ぶりの中直り
来山「葉久母里」
抱籠や子守が袖のほしむつき
才麿「向之岡」
抱籠や妾かかへてきのふけふ
其角「華摘」
天にあらば比翼の籠や竹婦人
蕪村「明和八年句稿」
抱籠やひと夜ふしみのささめごと
蕪村「遺草」
抱籠やとぼし消えても物いはず
草「斧の柄」
有明の月照しけり竹婦人
尾崎紅葉「紅葉句帳」
情薄きものの一つや竹婦人
安斎桜子「閭門の草」