銀龍草(ぎんりょうそう/ぎんりようさう) 仲夏
【子季語】
幽霊草/幽霊茸
【解説】
イチヤクソウ科の菌根植物。山地の木陰に生える。高さ十セン程。六・七月頃茎の頂に白い花をつける。茎も葉も花も銀白色をしている。姿形から銀の龍に見立てる。幽霊草、幽霊茸の名もある。
【科学的見解】
ギンリョウソウは、北海道から琉球の林内の湿り気のある場所に生育する。土壌中の菌類に寄生しており、呼吸に必要な糖類を菌類から得ている。自身では光合成を行うことはないため、緑色のクロロフィル色素を持たず、白色の体をしている。本種は、種子形成のために、花期のみ地上に姿を現す。似た種としては、花が黄色身を帯びたシャクジョウソウや開花期の遅いギンリョウソウモドキが知られている。(藤吉正明記)