忍冬の花(すいかずらのはな/すひかづらのはな) 初夏
【子季語】
吸葛/金銀花
【解説】
スイカズラ科の常緑性蔓植物。花の蜜を吸うと甘いので、「吸葛」の名がついた。葉は冬も枯れないので、「忍冬」と呼ばれる。五・六月頃葉のつけ根に二つずつ並んで細い筒形の花を開く。始め白く後に淡黄色に変わるため、金銀花ともいわれ良い香りがする。
【科学的見解】
スイカズラは、スイカズラ科のつる性半落葉木で、北海道から琉球までの山野や市街地などに生育している。冬でも完全に葉が落ちないことから半落葉性とされている。スイカズラは、葉腋から二個ずつ二唇形の花をつけ、何とも言えない甘い芳香を漂わせる。近年、ヨーロッパや北米に帰化し、分布を広げているとのことである。(藤吉正明記)
【例句】
忍冬の花うちからむくまでかな
白雄「白雄句集」
忍冬綴れる門を久に出ず
松本たかし「石魂」