大矢数(おおやかず/おほやかず) 初夏
【子季語】
矢数/通し矢/弓の天下/総一
【解説】
初夏、気候のよいころに行なわれた京都三十三間堂での弓の腕競べ。実際には六十五間ほどの廊下を射通し、その本数を競った。暮れ六つから一昼夜にわたる過酷な弓較べで、江戸時代盛んに行なわれた。
【例句】
天下矢数二度の大願四千句なり
西鶴「大矢数」
堂形や今ぞさかえん大矢数
才麿「江戸弁慶」
大矢数弓師親子もまゐりたる
蕪村「新花摘」
夕ぐれはあらしと成りぬ大矢数
其調「よさむ」
朝日子をそびらに負うて矢数かな
石井露月「露月句集」