藜(あかざ) 三夏
【解説】
藜は古く中国から渡来し食用として栽培され、野生化し広まった。乾燥したアルカリ性の土壌を好み,海岸の砂地にも生える。若葉は赤紫色で、六月から十月、細かい穂をなして花が咲く。草丈は 一メートル以上になる。
【科学的見解】
藜(アカザ)は、北海道から沖縄まで全国的に分布するアカザ科の一年草で、若葉には赤色の粉粒が密集するのでわかりやすい。人里周辺の畑や荒地などで見られる。茎は乾燥すると固くなるため、昔から杖として利用されてきた。近縁の種としては、葉が白くなるシロザが存在する。(藤吉正明記)
【例句】
やどりせむ藜の杖になる日まで
芭蕉「笈日記」
おもひ出や藜の杖の肩過ぎぬ
大魯「題葉集」