【子季語】
花山葵
【解説】
山葵は、日本原産で北海道から九州まで渓流のほとりに自生する。栽培されることも多い。五月ごろ、小さい白い十字の花を、短い房状ににつける。根茎は和食に欠かせない香辛料「わさび」。花穂も食用になる。
【科学的見解】
ワサビは、北海道から九州までの深山の渓流に生育するアブラナ科ワサビ属の多年草である。アブラナ科には、辛味成分(からし油類)を有した種が多いが、本種は特に多く含有している。白色の花は、薄暗い渓流でよく目立つ。水の豊かな静岡県や長野県で栽培が行われている。(藤吉正明記)
【例句】
尋(と)めくれば山葵咲くあり沢ひそか
松本たかし「火明」