楊桃(やまもも) 仲夏
【子季語】
やまうめ/ももかわ/楊梅/樹梅/山桃
【解説】
関東や福井県よりも南西部の暖地、沿岸域に生育する常緑の高木。庭や公園にも植栽され、十メートルほどにもなる。春、雌株に赤い 花が咲く。実は入梅のころ赤から黒になって甘く熟し、ジャムや果実酒になる。味が桃の実に似ていたことからその名がついた。
【科学的見解】
ヤマモモは、ヤマモモ科の常緑高木で、関東南部から琉球までの海岸近くの山地林等に生育する。また、大気汚染等にも強いことが知られており、都市部の公園木や工場敷地内の緑化木、街路樹としてもよく植栽されている。花は単性花を別々の個体につける雌雄異株となる。果実は暗赤色の球形で、一~二センチほどある。果実が熟す時期になると、ムクドリやヒヨドリなどの野鳥が盛んに食し、種子を散布する。(藤吉正明記)
【例句】
磯ぎはをやまもも舟の日和かな
惟然「有磯海」
楊桃の山もりわびし山折敷
蝶夢「草根発句集」