鷽(うそ) 三春
【子季語】
鷽鳥/鷽の琴/鷽姫/琴弾き鳥/照鷽/雨鷽
【解説】
雀よりも少し大きい。雄は頭部が黒く体は青灰色だが、頬から喉への薔薇色が美しい。フユーフユーと口笛に似たやさしい鳴き声を発する。雄を照鷽、雌を雨鷽とも。琴を弾くような動作から、琴弾鳥の異名も。うそぶく(口笛を吹く)という方言が名前の由来。
【科学的見解】
ウソは、アトリ科の鳥類で、本州中部以北の亜高山帯と北海道の針葉樹林で繁殖し、冬期には標高の低い低山帯や丘陵地まで分布を広げて生活をしている。繁殖期には昆虫等の小動物のほか、木の実等の食し、冬期にはバラ科等の落葉広葉樹の冬芽を好む。本種は、複数集まった群れでの行動が多い。冬鳥として日本に渡来する別亜種としては、アカウソやベニバラウソが知られている。(藤吉正明記)
【例句】
鷽鳴くや八角堂の朝ぼらけ
淡々「淡々句集」
鷽のこゑきゝそめてより山路かな
式之「猿蓑」
宿かりて三日うそ聞日和かな
馬城「よさむ」
春の門鷽鳴きやんで夜と成ぬ
松瀬青々「妻木」