巣箱(すばこ) 三春
【解説】
主に野性の小鳥の繁殖を助けるために樹木に取りつける人工の巣 のこと。四十雀、山雀等々、それぞれの種類によって巣箱の入口が異なるので、取り付ける場所や巣箱の大きさを鳥の習性に合わせて作る。
【科学的見解】
一部の野鳥は、樹木に形成された洞(樹洞)を営巣場所として利用している。その樹洞は、樹木が成長する過程で木材分解性の菌類が体内に侵入し、体内の木材が長い時間をかけて分解された結果として生み出されているものである。したがって、若い樹木には樹洞はなく、長い年月を生き抜いた大木に樹洞は形成されている。近年、森林開発等の影響で、樹洞を有する大木が減少しており、樹洞を営巣場所として利用する野鳥の保護的観点から樹洞の代替環境として巣箱作りやその設置が行われている。樹洞を営巣環境としている野鳥は、シジュウカラ、ヤマガラ、スズメ、ムクドリ、アオバズク、フクロウ等が知られており、巣箱をかけるとそれらの営巣・繁殖の手助けとなる。(藤吉正明記)