【子季語】
秋の蛇、蜥蜴穴に入る、蟻穴に入る
【解説】
蛇は冬眠のために穴に入る。秋の彼岸に穴に入り、春の彼岸に穴を出るといわれているが、地域により差がある。一つの穴に数匹から数十匹集まり冬を越す。
【例句】
それぞれにかたづき顔や蛇の穴
浪化「浪化上人句集」
穴撰みしてやのろのろ野らの蛇
一茶「八番日記」
蛇穴に入るや彼岸の鐘が鳴る
正岡子規「子規句集」
蛇穴に入りけり菌生えにけり
正岡子規「子規句集」
蛇穴や西日さしこむ二三寸
村上鬼城「鬼城句集」
【子季語】
秋の蛇、蜥蜴穴に入る、蟻穴に入る
【解説】
蛇は冬眠のために穴に入る。秋の彼岸に穴に入り、春の彼岸に穴を出るといわれているが、地域により差がある。一つの穴に数匹から数十匹集まり冬を越す。
【例句】
それぞれにかたづき顔や蛇の穴
浪化「浪化上人句集」
穴撰みしてやのろのろ野らの蛇
一茶「八番日記」
蛇穴に入るや彼岸の鐘が鳴る
正岡子規「子規句集」
蛇穴に入りけり菌生えにけり
正岡子規「子規句集」
蛇穴や西日さしこむ二三寸
村上鬼城「鬼城句集」
【子季語】
晩鳥、ももんが
【解説】
リス科の哺乳類。体長四十センチ。肢間に皮膜があり、木から木へ滑空する。昼は樹木の空洞内に潜み、夜間、木の芽、果実などを食べる。日本では、北海道を除く森林に分布。
【科学的見解】
ムササビは、ネズミ目(齧歯目)リス科の夜行性の哺乳類で、北海道と沖縄を除く東北から九州まで広く分布し、人里近くの低地から標高の高い亜高山帯までの森林に生息している。
本種は、樹上生活を主とし、昼間は大木などにできた樹洞で休息している。樹洞は、木の枝が折れることで木材腐朽菌が侵入し、樹木内部が分解されることで長い年月をかけて形成される。そのため、若い木々が生い茂る森林には樹洞は見られず、長期間維持された大木の存在する森林でしか樹洞は見られない。身近な環境では人間活動の影響により、大木が密生する自然林が少ないため、ムササビの生息に必要な樹洞も不足している。そのような状況の中で、神社には御神木などの大木が多く存在しているため、それらの木に形成された樹洞を利用して生活をしている個体も多い。樹洞の少ない森林では、人工的な巣箱を設置することで生息及び営巣環境を作り出すことが可能である。
本種は、完全な草食性であり、樹木の葉や木の芽、果実、花などを採食し、葉の場合は折り曲げて食べる性質があるため、食べ残された葉には丸い齧り後(食痕)が残る場合がある。本種の糞は、五ミリメートル程の球形をしており、棲み処である樹洞の周辺で見つけることができる。樹上での採食活動時には、広範囲に移動するため、足の間にある皮膜を広げて滑空する。天敵は、木登りが上手なテンと同じ夜行性のフクロウなどが存在する。
近縁種としては、同じ夜行性で皮膜を利用することで滑空して樹上生活をするニホンモモンガが存在するが、ニホンモモンガは山地から亜高山帯の標高の高い場所を生息環境にしているために、人里近くの低地などでは見ることができない。(藤吉正明記)
【子季語】
蝿取蜘蛛
【解説】
灰褐色をした小形の蜘蛛で網の巣を作らない。野外にもいるが家の中に入ってきて壁などに貼りついている。敏捷に動いて蝿を捕食する。
【例句】
草むらや蝿取蜘の身づくろひ
史邦「芭蕉庵小文庫」
平蜘や蝿とりはづしとりはづし
一茶「文政八年句帖」
【子季語】
蛇の衣、蛇の殻、蛇の蛻、蛇皮を脱ぐ、蛇の脱け殻
【解説】
蛇が脱皮すること。最も活動的な初夏に脱け殻を見ることが多い。脱け殻は白っぽく光沢があり、すぐに乾燥してからからになる。
【例句】
蛇の皮ぬぎてかけたる桜かな
許六「正風彦根躰」
蛇の衣滝を見ずして返しけり
正岡子規「子規句集」
露に脱ぎて全き蛇の衣かな
島田五空「裘」
【解説】
草木の枝や天井、壁、柱などについたくさかげろうの卵で、約一センチ半の白い糸状の先端に丸い玉がついたもの。花のように見える。もともとは、三千年に一度開花するという架空の植物のことで、吉兆または凶兆とされた。
【例句】
優曇華や昨日の如き熱の中
石田波郷「惜命」
【子季語】
雷鶏
【解説】
キジ目ライチョウ科。氷河時代の生き残りの鳥で、日本アルプス地方の高山帯にのみ生息する。冬羽は純白だが、夏羽は背中、のど、胸が黒く、茶色の斑がある。夏山に登ると、ハイマツ帯などに、雛を連れた雷鳥を見かけることがある。
【科学的見解】
ライチョウは、キジ科(旧ライチョウ科)の野鳥で、本州中部の高山のハイマツ林や草原に留鳥として生息している。食性として、小型の昆虫類や木の実、草の実を餌としている。産卵期は五月から七月で、五個から七個程度産卵する。本種は、個体数が少ないため絶滅危惧種とされており、個体数を増加させるための繁殖及び放鳥プロジェクトが進められている。(藤吉正明記)