【子季語】
水眼鏡
【解説】
水中で目をあけるために用いる眼鏡。ゴムの縁取りがあって水が入らない構造になっている。これを使って魚を突き採ったり、貝などを採取したりする。競泳用にも用いられる。
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滝浴(たきあび)晩夏
【子季語】
瀑浴、滝垢離、滝行者
【解説】
暑中に涼を求めて滝に打たれること。修行のための滝浴は季節に関係なく行われるが、滝垢離・滝行者も含めて夏の季語としている。
【例句】
滝浴びのひたに唱ふる声来る
日野草城「青芝」
菊挿す(きくさす)仲夏
【子季語】
挿菊、菊挿芽
【解説】
菊を繁殖させる方法の一つで挿し芽のこと。大菊はこの方法による。梅雨の頃、挿し穂を五センチほどに剪って水はけのよい土に挿すと、二十日ほどで発根する。ほかに根分けがあって、これは春に行う。
土用鰻(どよううなぎ)晩夏
帰省(きせい)晩夏
【子季語】
帰省子
【解説】
父母のもとを離れている学生や会社員が、休暇を利用して帰郷すること。多くは夏休みを利用することから、俳句では夏の季語とされる。
【例句】
さきだてる鵞鳥踏まじと帰省せり
芝不器男「定本芝不器男句集」
月見草萎れし門に帰省せり
前田普羅「普羅句集」
帰省子の行李おろせし駅夫かな
原石鼎「原石鼎全句集」
あらくさの茂れるなかへ帰省かな
日野草城「昨日の花」
砂日傘(すなひがさ)晩夏
宝恵駕(ほえかご、ほゑかご)新年
【子季語】
ほい駕、ふくすけかご、戎駕、宝恵駕行列
【解説】
大阪今宮戎神社の十日戎の祭りに、芸妓連が乗る福笹をたてた籠のこと。幇間を籠先に立て「ホイカゴホイホイ」と囃しながら練りまわる。
【例句】宝恵籠やくくり添へたる梅一枝
高橋淡路女「梶の葉」
窯始(かまはじめ)新年
【子季語】
初窯
【解説】
製陶家が新春にはじめて窯に火を入れること。窯の上に注連縄を張り、榊をかざり三方に鏡餅をのせ神酒をあげて焼く。
十六むさし(じゅうろくむさし、じふろくむさし)新年
【子季語】
十六目石、十六さすかり、むさし八道、武蔵
【解説】
平安朝時代に中国から伝わった正月遊び。親石と十六の小石で勝ち負けを競うもの。明治時代まで行われたが今はほとんど見られない。
初暦(はつごよみ)新年
【子季語】
新暦、伊勢暦、暦開、初開、本暦、柱暦、綴暦、花暦、巻暦、行事暦
【解説】
新年の暦。初めてその年の暦を用いることで新しい年への期待感が膨らむ。
【例句】古壁や炬燵むかふのはつ暦
一茶「九番日記」
新しき暦の香さやはるの雨
木導「藁人形」
わすれては眼鏡拭ふや初暦
也有「垤集」
人の手にはや古りそめぬ初暦
正岡子規「子規句集」