【子季語】
孟春/上春/春初め
【解説】
陰暦の時代には新年のことを示す言葉であったが、現在では春の 初め頃のことを指す。
【例句】
初春まづ酒に梅売るにほひかな
芭蕉「真蹟懐紙」
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塩鰤(しおぶり/しほぶり)三冬
【解説】
鰤の塩引きのこと。昔、富山湾などで取れた鰤は、塩漬けにして、飛騨高山や信州などの山間部に運ばれ貴重な蛋白源になったとい う。関西では贈答用になったり、正月の膳にのったりする。
塩鱈(しおだら/しほだら)三冬
【解説】
鱈の塩漬けのこと。鱈は大量に取れるのでかまぼこなどの加工品に利用されるほか、塩漬け、干物などの保存食として、昔から重宝されてきた。薄塩のものは鍋物などにも用いられる。
【例句】
塩鱈や旅はるばるのよごれ面
太祇「太祇句選」
雲腸(くもわた)三冬
【子季語】
蓑腸/菊腸/菊白子/強腸
【解説】
鱈の白子のこと。酢の物にしたり、醤油味で煮付けたりして食す。 色形とも雲に似ているのでこの名がある。
酢海鼠(すなまこ)三冬
【解説】
新鮮な海鼠に塩を振って板ずりしたものを、三杯酢で食べるもの。こりこりした食感が喜ばれる。
甲羅煮(こうらに/かふらに)三冬
【子季語】
甲羅蒸
【解説】
ずわい蟹の身や蟹味噌を蟹自身の甲羅で煮る料理。葱や椎茸を加えたりする。酒肴に喜ばれる。
凍豆腐造る(しみどうふつくる) 晩冬
【子季語】
高野豆腐/凍豆腐/氷豆腐/寒豆腐/豆腐氷らす
【解説】
茄でた豆腐を寒気にさらして凍らせ、その後天日干しにして作る。 栄養価が高く長期保存がきき、食べるときはぬるま湯でもどす。味噌汁の具や、煮物の具などになる。関西では、高野豆腐とも呼ばれる。
蒟蒻氷らす(こんにゃくこおらす/こんにやくこほらす) 晩冬
【子季語】
氷蒟蒻/氷蒟蒻造る
【解説】
寒中の夜間作業である。煮た蒟蒻に水をかけて氷らせ、次の夜もまた水をかけては氷らせる。ひと月ほどこの作業を繰り返すことで、乾燥した氷蒟蒻ができる。出汁ををよく吸うため、普通の蒟蒻よりうま味がある。精進料理などに使われる。
風切鎌(かざきりがま)三冬
【解説】
鎌のもつ力によって、風を衰えさせようというおまじないの一種。 屋根に鎌を取り付けたり、竹竿の先に取り付けて風に向けて立てたりする。
墓囲ふ(はかかこふ) 仲冬
【解説】
雪や冬の風から墓を守るため、藁や菰で墓を囲うこと。凍りついた墓石が割れるのを防ぐためである。