【子季語】
初御空
【解説】
元日の朝の空をいう。新年の初々しい心で見あげる空は、清らかにして荘厳。元日の晴れ渡った空は瑞兆として、雨や雪も豊穣の瑞兆として、それぞれに喜ばれた。
【例句】
はつ空や畑草ふく和の中の比叡
言水「歳旦三物集」
初空や鳥をのするうしの鞍
嵐雪「杜撰集」
初空に渡して星のうすひかり
野坂「菊の道」
初空や鳥はよし野のかたへ行く
千代女「千代尼句選」
初空や月にもよらずさくらにも
太魯「蘆陰句集」
初空のはづれの村も寒いげな
一茶「七番日記」
初空を夜着の袖から見たりけり
一茶「七番日記」
初空や大悪人虚子の頭上に
高浜虚子「五百句」
初空を映す磧や細り水
原石鼎「花影」