鵜飼(うかい、うかひ) 三夏

【子季語】
鵜川、鵜匠、鵜遣、荒鵜、鵜籠、鵜篝、鵜飼火、鵜舟、鵜松明、鵜縄、疲れ鵜
【関連季語】
秋の鵜飼
【解説】
飼いならした鵜を使う鮎漁である。鵜舟の先に鵜篝を焚き、鵜匠と呼ばれる漁師が鵜を操って鮎を獲る。鵜が呑んだ鮎は鵜縄を引いて吐かせる。岐阜市の長良川、犬山市の木曾川などが有名。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
婦負(めひ)川の早き瀬ごとに篝さし八十伴(やそとも)の男は鵜川立ちけり 大伴家持『万葉集』
大丈夫が鵜河の瀬々に鮎とると引くしら縄のたえずもあるかな 源俊頼『家集』
【実証的見解】
鵜には魚を丸呑みにし雛に与える習性がある。これを利用して、生きたまま鮎を捕らえる。岐阜県長良川の鵜飼がが有名で、鵜を操る鵜匠は風折烏帽子に腰蓑姿で、十二羽もの鵜をさばく。毎年五月中旬から十月半ばまで満月の前後数日を除いて毎夜行われる。鵜飼は月明を嫌うので満月の前後は休漁になる。長良川の鵜飼で使う鵜は野生の海鵜を訓練したもので、体長八十センチほど。二三年かけて使える鵜に育て上げる。長良川の鵜匠は代々世襲制で、宮内庁から「式部職鵜匠」という職名を与えられている。

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おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな
芭蕉 「曠野」

細道に篝こぼるる鵜舟かな
許六 「初蝉」

うしろから月こそ出づれ鵜飼舟
蓼太 「蓼太句集二編」

夜やいつの長良の鵜舟嘗て見し
蕪村 「安永五年句帖」

うしろより月になりゐる鵜舟かな
正岡子規 「季語別子規俳句集」子規

巌が根をこがしてはゆく鵜船かな
原石鼎 「原石鼎全句集」

鵜飼の火川底見えて淋しけれ
村上鬼城  「鬼城句集」

鵜を入れしまま干してある鵜籠かな
長谷川櫂 「天球」

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