春(はる) 三春

【子季語】
青春、芳春、陽春、東帝、青帝
【解説】
四季の一つで、立春(二月四日頃))から立夏(五月六日頃)の前日までの期間をいう。動植物の生育が活発になる季節で、春という言葉には、もののときめく明るいひびきがある。旧暦では一月、二月、三月が春。三春(初春、仲春、晩春)をまとめた九十日間を九春とよぶ。
【来歴】
『俳諧御傘』(慶安4年、1651年)に所出。

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於春々大哉春と云々
芭蕉 「向之岡」

うたがふな潮の花も浦の春
芭蕉 「いつを昔」

天秤や京江戸かけて千代の春
芭蕉 「俳諧当世男」

発句なり松尾桃青宿の春
芭蕉 「かせを盥」

伶人の門なつかしや春の声
其角 「五元集拾遺」

折釘に烏帽子かけたり春の宿
蕪村 「蕪村句集」

山寺の春や仏に水仙花
也有 「蘿葉集」

先ゆくも帰るも我もはるの人
白雄 「白雄句集」

日くれたり三井寺下る春の人
暁台 「暁台句集」

田楽に土焦したり春の庭
闌更 「半化坊発句集」

春を見に浅草川をわたるなり
成美 「成美家集」

この春を鏡見ることもなかりけり
正岡子規 「子規句集」

腸に春滴るや粥の味
夏目漱石「漱石全集」

掌にありて遠くはるかに春の貝
加藤楸邨「まぼろしの鹿」

雪の峰しづかに春ののぼりゆく
飯田龍太「童眸」

バスを待ち大路の春をうたがはず
石田波郷「鶴の眼」

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