雛祭(ひなまつり) 仲春

hina【子季語】
雛、ひいな、雛飾、雛人形、雛の調度、雛道具、雛屏風、雛段、雛の膳、雛の酒、紙雛、立雛、内裏雛、享保雛、変り雛、糸雛、菜の花雛、京雛、木彫雛、官女雛、五人囃、雛箱、初雛、古雛、雛の燭、雛の宴、雛の宿、雛の客、雛椀
【関連季語】
桃の節句、上巳、雛市、雛流し、雛納め
【解説】
三月三日、女の子の健やかな成長を願うお祭である。雛人形を飾り、白酒や雛あられをふるまって祝う。
【来歴】
『俳諧通俗誌』(享保2年、1716年)に所出。
【実証的見解】
雛祭は、人のけがれを移した人形(ひとがた)を川に流すという上巳の日の祓の行事と、雛遊びの風習が結びついたものとされる。室町時代になると中国から新しい人形技術が伝わり現在のすわり雛の原型ができた。江戸時代に入ると、幕府や大奥でも雛祭りを行うようになり、やがて武士階級から町人へと広まった。男児の端午と並んで雛祭が盛んになったのは元禄のころとされる。

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草の戸も住み替はる代ぞ雛の家
芭蕉 「奥の細道」

内裏雛人形天皇の御宇とかや
芭蕉  「江戸広小路」

綿とりてねびまさりけり雛の顔?
其角 「其袋」

とぼし灯の用意や雛の台所
千代女 「千代尼句集」

桃ありてますます白し雛の殿?
太祇 「新五子稿」

古雛やむかしの人の袖几帳
蕪村 「蕪村句集」

箱を出る皃わすれめや雛二對
蕪村 「蕪村句集」

たらちねのつまゝずありや雛の鼻?
蕪村 「蕪村句集」

雛祭る都はづれや桃の月
蕪村 「蕪村句集」

雛の間にとられてくらきほとけかな
暁台 「暁台句集」

仕る手に笛もなし古雛
松本たかし  「松本たかし句集」

雛飾りつつふと命惜しきかな
星野立子「春雷」

笛吹けるおとがひほそき雛かな
篠原鳳作  「海の旅」

山に降る沫雪を見て雛の唇(くち)
森澄雄 「餘日」

目を入るるとき痛からん雛の顔
長谷川櫂 「天球」

存分に炭熾りけり雛の間
高田正子 「花実」

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