蛙(かわず、かはづ) 三春


【子季語】
殿様蛙、赤蛙、土蛙、初蛙、昼蛙、夕蛙、夜蛙、遠蛙、筒井の蛙、蛙合戦、鳴く蛙、苗代蛙、田蛙
【関連季語】
蝌蚪、蟇、牛蛙
【解説】
蛙は、田に水が張られるころ、雄は雌を求めてさかんに鳴き始める。昼夜の別なくなき続け、のどかさを誘う。「かはず」はもともとカジカガエルのことをさしていたが、平安時代から一般の蛙と混同されるようになった。

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蛙は、両生類カエル目に分類される動物の総称。ほとんどは、日本各地の水辺または湿地帯に生息するが、樹上や土中に棲むものもある。大きさは一センチくらいのものから二十センチをこえるものまでさまざまで、体は頭部と胴からなる。頭は三角形で、目は大きく飛び出し視力が発達している。四肢を持つ胴体は丸っこく、尾はない。後肢が特に発達しており、後肢で跳躍して敵から逃げたり、虫を捕まえたりする。後肢の指の間の水掻きを使って泳ぐ。アオガエルやアマガエルなどの樹上生活をする種の多くは指先の吸盤が発達している。蛙のほとんどは肉食性で、昆虫などを食べる。冬は冬眠する。

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古池や蛙飛込む水のおと
芭蕉 「春の日」

月に聞て蛙ながむる田面かな
蕪村 「蕪村句集」

閣に座して遠き蛙をきく夜哉
蕪村 「蕪村句集」

痩蛙負けるな一茶是に有
一茶 「七番日記」

田を売ていとど寝られぬ蛙かな
北枝 「喪の名残」

山蛙けけらけけらと夜が移る
臼田亜浪 「定本亜浪句集」

門しめに出て聞て居る蛙かな
正岡子規 「寒山落木」

漣の中に動かず蛙の目
川端茅舍 「川端茅舍句集」

チグリスのうつつの蛙鳴きにけり
加藤楸邨「鶴と煙突」

子を呼んで蹠踏ますや初蛙
長谷川櫂 「蓬莱」

目もとまで喉ふらませ初蛙
長谷川櫂 「虚空」

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