飯蛸(いいだこ、いひだこ) 初春

【子季語】
いしだこ、望潮魚(いいだこ)、高砂飯蛸
【解説】
飯蛸は小さな蛸。春、体内が飯粒のような卵でいっぱいになるのでこの名がある。
【来歴】
『俳諧通俗誌』(享保2年、1716年)に所出。
【実証的見解】
マダコ科の小型の蛸で全長二十五センチくらい。北海道南部が北限で日本近海で捕れる。体に低いいぼ状の突起があり、色は周囲の環境により変化する。両眼の間に角型の斑紋があるのが特徴。冬から春にかけて米粒くらいの卵を産み。産卵後は雌が卵を守る。卵が孵化すると雌の多くは死んでしまう。

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飯蛸の糧もつつまず須磨明石
許六 「荒小田」

飯蛸のあはれやあれではてるげな
来山 「今宮集」

飯蛸や膳の前なる三保の松
夏目漱石 「漱石全集」

飯蛸の一かたまりや皿の藍 
夏目漱石 「漱石全集」

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