木の芽(このめ) 三春

【子季語】
木の芽時、木の芽雨、木の芽風、きのめ、雑木の芽、名の木の芽
【関連季語】
芽立ち
【解説】
樹木の芽吹きは、春先に見られる現象であるが、年一回春先にだけ芽吹く植物と主に春と秋の年数回芽吹く植物が存在する。また、春以外に、枝が折れたり選定などで伐採されると、新しい芽を出すために芽吹く場合がある。木の芽の彩は、植物により異なる。それは、芽吹き初期の成長速度の違いや葉表面の毛の有無のためである。新しい芽は、葉や茎の組織が柔らかいため、有毒成分を含まず香りや味が良い植物であれば食用にされる。(藤吉正明記)
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
霞たちこのめも春の雪ふれば花なきさとも花ぞちりける 紀貫之『古今集』

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けしきだつ谷の木のめの曇りかな
白雄 「白雄句集」

木々おのおの名乗り出でたる木の芽哉
一茶 「千題集」

月の出とやゝへだたりて大樹の芽
原石鼎 「花影」

ひた急ぐ犬に会ひけり木の芽道
中村草田男 「長子」

隠岐やいま木の芽をかこむ怒濤かな
加藤楸邨「雪後の天」

今掃きし土に苞ぬぐ木の芽かな
杉田久女 「杉田久女句集」

猪をずどんと撃てる木の芽かな
長谷川櫂 「初雁」

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