蘆の角(あしのつの) 仲春

【子季語】
蘆の芽、蘆牙(あしかび)、角組む蘆、蘆の錐
【解説】
水辺に生える蘆の新芽である。文字通り小さな緑色の角のよう。蘆を焼いた末黒野にそれを発見したりすると、あまりの青さに驚かされる。
【科学的見解】
蘆の生物学的標準和名は、ヨシとなっている。ヨシ(別名:アシ・キタヨシ)は、湿地を代表とする在来の草本植物であり、北海道から沖縄まで広く分布する。穏やかな水辺を好むため、池沼や河川下流の河口付近などで生育する。春先、土壌中の地下茎から新芽が出てくるため、新芽の先端は尖り、細い竹の子のような形状をしている。(藤吉正明記)

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見え初めて夕汐みちぬ蘆の角
太祇 「新五子」

江をわたる漁村の犬や蘆の角
太祇 「太祇句集」

日の縦に流るる川や蘆の角
松瀬青々 「春夏秋冬」

曳船やすり切つて行く蘆の角
夏目漱石 「漱石全集」

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