心太(ところてん) 三夏

【子季語】
心天、こころぶと、こころてん、心太突き
【解説】
天草を煮て寒天質を取り出し冷やし固めたものを心太突きで線状に突き出し、酢・醤油・蜜などで食べる。九十九パーセント水分のため、水の旨さが決め手。井戸水、山水で冷やした心太を暑い屋外で食べるのは夏の醍醐味のひとつ。
 
*

清滝の水汲ませてやところてん 
芭蕉 「泊船集」

巡礼のよる木のもとやところてん 
其角 「桃の実」

白雨に躍り出でけりところてん 
許六 「浮世の北」

ところてん逆しまに銀河三千尺 
蕪村 「蕪村句集」

水の中へ銭遣りけらし心太 
太祗 「太祗句選」

喰物に笠もぬがずよ心太  
白雄 「在し世語」

あさら井や小魚と遊ぶ心太 
一茶 「嘉永版句集」

旅人や山に腰かけて心太 
一茶 「発句集」

柱噛む馬を叱りつ心太  
佐藤紅緑 「花紅柳緑」

ところてん煙のごとく沈みをり  
日野草城 「花氷」

心太水に沈みて無きごとし
長谷川櫂 「蓬莱」

くみおきて水に木の香や心太
高田正子 「花実」

コメントは受け付けていません。