重陽(ちょうよう、ちようやう) 晩秋

【子季語】
重九、重陽の宴、菊の節句、九日の節句、菊の日、今日の菊、三九日、刈上の節供
【関連季語】
温め酒、高きに登る、菊の着綿、茱萸の袋 、茱萸の酒、菊酒、九日小袖
【解説】
旧暦の九月九日の節句。菊の節句ともいう。長寿を願って、菊の酒を飲み、高きに登るなどのならわしがある。
【来歴】
『山の井』(正保5年、1648年)に所出。
【文学での言及】
長月の九日ごとに摘む菊の花もかひなく老いにけるかな 凡河内躬恒『拾遺集』
【実証的見解】
古来、中国では奇数を陽数として好み、その最大の数「九」が重なる九月九日を、陽の重なる日、重陽とした。この日は、高いところにのぼり、長寿を願って菊の酒を飲んだ。これを「登高」という。また、茱萸の実を入れた袋を身につければ、茱萸の香気によって邪気がはらわれ、長寿をたまわるとも信じられていた。日本においては、宮中で観菊の宴がもよおされ、群臣は菊の酒を賜った。また、菊に一晩綿をかぶせ、その夜露と香りをつけたもので身を拭う、菊の着綿という風習もあった。この日に酒を温めて飲む「温め酒」の風習は無病息災を願ったものである。

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朝露や菊の節句は町中も
太祇 「太祇句選」

人心しづかに菊の節句かな
召波 「春泥発句集」

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