稲(いね)三秋

【子季語】
稲、富草、粳、糯、稲筵、稲葉、稲穂、粳稲、糯稲、もちごめ、田の実、水影草、稲の秋、稲の波、稲の秀、八束穂、稲の香
【解説】
日本人の主食である米をとるため、縄文時代後期から栽培されて来た。日本人にとって、なくてはならない植物である。秋に稲穂が黄金色になり、風にたなびく様子は一幅の絵のようである。
【科学的見解】
稲(イネ)は、コムギとともに世界の代表的な主食源食物と言える。イネは、ジャポニカ(日本型短粒種)とインディカ(インド型長粒種)の二つに大きく分かれ、日本では短粒型の粘り気のあるものが栽培されている。主食ということもあり、昔から品種改良が盛んに行われ、食味の良いものや寒さに強く倒れにくい品種が選抜されてきた。イネは、一般的に水を張った水田で栽培されている(水稲)が、畑でも栽培できる陸稲(おかぼ)も存在する。イネは、主食としてたべられる他、日本酒の材料にもされている。(藤吉正明記)

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里人は稲に歌よむ都かな
芭蕉 「真蹟懐紙写」

稲かつぐ母に出迎ふうなひ哉
凡兆 「猿蓑」

稲のほをおこして通る田道かな
蝶夢 「草根発句集」

稲つけて馬が行くなり稲の中 
正岡子規 「子規句集」

稲の雨斑鳩寺にまうでけり
正岡子規 「子規句集」

山四方中を十里の稲筵
夏目漱石 「漱石全集」

一里行けば一里吹くなり稲の風
夏目漱石 「漱石全集」

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