芒(すすき)三秋

【子季語】
薄、一叢薄、糸薄、一本薄、鬼薄、芒原、まそほの薄、真赭の糸、むら薄?、鷹の羽薄、はた薄、薄の糸、薄野、乱れ草、袖波草、露曾草、頻浪草、縞薄【解説】
イネ科の多年草。月見のおそなえとして秋の代表的な植物。秋の七草のひとつでもある。若い穂はしっとりとして油に濡れたよう。箱根の仙石原などで銀色の穂がいっせいになびくさまは壮観である。
【科学的見解】
芒(ススキ)は、イネ科ススキ属の植物であり、日本の在来種として全国的に山地から平地までの日当たりの良い場所に生える。草丈は、二メートル程になり、八月から十月頃に開花する。近縁種に荻(オギ)が存在するが、ススキが乾燥地に生えるのに対して、オギは水辺に生育している。(藤吉正明記)

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糸薄蛇にまかれてねまりけり
芭蕉 「句解参考」

何ごともまねき果たるすゝき哉  
芭蕉 「続深川集」

猪追ふや芒を走る夜の声
一茶 「句帖」

行く秋の四五日弱るすすきかな
丈草 「猿蓑」

一雨のしめり渡らぬ薄かな   
支考 「西の雲」

山は暮て野は黄昏の薄哉   
蕪村 「蕪村句集」

夕闇を静まりかへるすすきかな
暁台 「暁台句集」

この道の富士になり行く芒かな
河東碧梧桐 「碧梧桐句集」

取り留むる命も細き薄かな
夏目漱石 「漱石全集」

薄きるに出かけの月の大きさよ
松瀬青々 「松苗」

生ふるまゝ芒の庭となし置きぬ
松本たかし 「石魂」

草枕こよひ芒を枕かな
長谷川櫂 「初雁」

日の匂ひして生けらるるすすきかな
高田正子 「花実」

金の芒はるかなる母祈りをり
石田波郷「惜命」

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