曼珠沙華(まんじゅしゃげ)仲秋

【子季語】
彼岸花、死人花、天蓋花、幽霊花、三昧花、捨て子花、したまがり、狐花、まんじゆさげ
【解説】
曼珠沙華は天界に咲く赤い花を表す梵語。秋、田畑の畦や土手に咲くヒガンバナ科の多年草で群生する。墓地の近辺にみられることも多いため彼岸の名がつく。毒があるといわれるが鱗茎には澱粉が多く食用にもなる。昔は飢饉に備えて植えられていたという説もある。
【科学的見解】
曼珠沙華の標準和名は、彼岸花(ヒガンバナ)である。ヒガンバナは、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草であり、日本全国の野山で普通に見られるが、在来種ではなく中国から渡来した外来種とされている。開花後、種子は作らず、球根(鱗茎)で増える。(藤吉正明記)

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此ごろの西日冷じ曼珠沙華
蓼太 「蓼太句集二編」

まんじゆさげ蘭に類ひて狐啼く
蕪村 「夜半叟句集」

仏より痩せて哀れや曼珠沙華
夏目漱石 「漱石全集」

かたまりて哀れさかりや曼珠沙華
田中王城 「改造文学全集」

曼珠沙華落暉も蘂(しべ)をひろげけり
中村草田男 「長子」

九十九里の一天曇り曼珠沙華
加藤楸邨「野哭」

西国の畦曼珠沙華曼珠沙華
森澄雄 「鯉素」

曼珠沙華食ひちぎられしごとくなり
長谷川櫂 「天球」

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