煮凝(にこごり)三冬
【子季語】
煮凍、凝鮒
【解説】
煮魚をその煮汁とともに一晩置いて凝固させた料理。また、魚や野菜を煮汁と一緒に、寒天や食用ゼラチンで固めたものもいう。サメ・カレイ・ヒラメ・アンコウ・タイ・スッポン・コチなど、ゼラチン質を多く含む魚を用いる。
【例句】
煮凍や簀子の竹のうす緑
其角「五元集」
煮凍りへともに箸さす女夫かな
召波「其雪影」
煮凍りや格子のひまを洩る月夜
雁宕「続明鳥」
煮凍りや精進落つる鐘の声
几董「続明鳥」
煮凝や深閑として鍋一つ
長谷川櫂「初雁」