栗の花(くりのはな)仲夏

【子季語】
花栗、栗咲く
【解説】
ブナ科の落葉高木。雌、雄同株で長い雄花の花穂の下に短い雌花 がつく。雌花は受粉すると栗のイガになる。梅雨どきに木を覆う ように淡黄白色の花穂が垂れ下がり独特の青臭い匂いを放つ
【科学的見解】
栗(クリ)は、北海道西部から九州の丘陵地や山地に生育している。クリの花は、虫媒花であるため、独特の匂いを放つことでハエやアブなどの昆虫を惹きつけ、効率的な受粉を行っている。クリは、日本原産の果樹であり、縄文・弥生時代の頃から食用もしくは建材として利用されてきた。クリの仲間としては、外国原産のシナグリやヨーロッパグリなどが挙げられる。(藤吉正明記)

世の人の見つけぬ花や軒の栗
芭蕉 「奥の細道」

逗留の窓に落つるや栗の花
去来 「続有磯海」

闘ひし牛とりこめぬ栗の花
河東碧梧桐 「碧梧桐句集」

母屋から運ぶ夕餉や栗の花
杉田久女 「杉田久女句集」

栗の花紙縒の如し雨雫
杉田久女 「杉田久女句集」

門口や夕日に見ゆる栗の花
松瀬青々 「妻木」

むせかへる花栗の香を蝶くぐる
前田普羅 「飛騨袖」

栗の穂のおのおの垂れて月明り
長谷川素逝 「暦日」

花栗のちからかぎりに夜もにほふ
飯田龍太 「百戸の谿」

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