菱の実(ひしのみ)晩秋

【解説】
菱は池や沼にはびこる水草である。夏、水面に白い花を咲かせ、秋には菱形の堅い実を結ぶ。実は、二つの突起を持つ。栗に似た風味があり、生食、あるいは蒸すと美味。菱餅は元来この粉をついた餅である。採取には舟や盥を使う。
【科学的見解】
菱(ヒシ)は、北海道から九州の池に自生する浮葉性の一年草である。晩秋、やや平らな三角形の果実をつけ、左右両端の突起には下向きの刺がある。果実は、その刺を利用して他の水草に絡むことで種子が散布される。(藤吉正明記)

菱盛るやいづれ田貝の蓋と見え
北枝 「柞原」

菱取の岸ばかり漕ぐ小舟かな
夕雨 「田毎の日」

鄙なれば売る茹菱や水に雁
松瀬青々 「妻木」

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