若水(わかみず、わかみづ) 新年
子季語 | 井華水、初水、福水、若井、井開、若水桶、若水汲 |
関連季語 | |
解説 | 元日の朝に汲む水のこと。年男や家の長が、恵方を拝んでから汲み上げる。手桶や柄杓は 新しいものを使う。 |
来歴 | 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。 |
文学での言及 | 君がためみたらし川を若水にむすぶや千代の始めなるらん 源俊頼『千載集』 解け初むるはつ若水の氷にて春立つことのまづくまれぬる 西行『西行法師家集』 |
実証的見解 | 若水とはもともと、立春の日に主水司(もひとりのつかさ)が朝廷に奉った水をのことで ある。後に元朝に汲む井戸水を若水とし、それを神棚に供えた。若水は一年の邪気を除く と信じられ、神棚に供えた後、その水で煮炊きをして雑煮を作ったり、口を漱いだりした。 |
参考文献 |
若水に智恵の鏡を磨がうよや | 嵐雪 「戊辰歳旦帖」 | ||
若水に皺影笑ふあしたかな | 杉風 「杉風句集」 | ||
若水や冬は薬にむすびしを | 野披 「三日之庵」 | ||
若水やおよそ玉川猪のかしら | 白雄 「真蹟」 | ||
若水も隣の桶でしまひけり | 一茶 「七番目記」 | ||