涅槃会(ねはんえ、ねはんゑ) 仲春
子季語 | 涅槃、お涅槃、涅槃の日、涅槃忌、仏忌、涅槃像、涅槃絵、寝釈迦、仏の別れ、二月の別れ 去りし仏、鶴の林、涅槃寺、涅槃講、涅槃粥、涅槃変、団子撒き、涅槃図、涅槃仏 |
関連季語 | |
解説 | 釈迦が沙羅双樹の下に入滅した日にちなむ法要。旧暦の二月十五日であるが、新暦の二月 十五日あるいは三月十五日に執り行われる。各寺院では涅槃図を掲げ、釈迦の最後の説法 を収めた「遺教経」を読誦する。参詣者には涅槃だんごなどがふるまわれる。 |
来歴 | 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。 |
文学での言及 | 双林入滅 きさらぎや薪つきにし春を経て残る煙は霞なりけり 円空上人『続拾遺集』 |
実証的見解 | 涅槃会は、釈迦の誕生にちなむ仏性会、釈迦の悟りにちなむ成道会とともに三大法要とし て重んじられているもの。当日は涅槃図を掲げて法要を営む。涅槃図は、沙羅双樹のもと に横臥した釈迦のまわりを、弟子や動物が取り囲んだ図で、なかでも京都興福寺の吉山明 兆作の涅槃図はその雄大さで知られている。 釈迦が入滅した日は実際は定かでないが、『大般涅槃経』の記述にもとづいて二月十五日 とされる。 |
参考文献 |
神垣やおもひもかけず涅槃像-- | 芭蕉 「曠野」 | ||
涅槃会や皺手合する数珠の音 | 芭蕉 「続猿蓑」 | ||
こゝろゆく極彩色や涅槃像 | 太祇 「太祇句選」 | ||
土不蹈ゆたかに涅槃し給へり | 川端茅舎 「華厳」 | ||
お涅槃や大風鳴りつ素湯の味 | 渡辺水巴 「水巴句集」 | ||
大いなる身をはばからず寝釈迦かな | 長谷川櫂 「果実」 | ||