蓬莱(ほうらい) 新年
子季語 | 蓬莱飾、蓬莱山、蓬莱台、蓬莱盆 |
関連季語 | 喰積、幸木 |
解説 | 正月の蓬莱飾りのこと。三方の上に海老、熨斗鮑、昆布、穂俵、裏白、橘、栗、柿、橙、 米、梅干など積み重ね、松竹梅を立てる。本来は歳神の供え物であったが、やがて年賀の 客にふるまわれ、おせち料理(喰積)となった。九州や四国に見られる幸木に近い慣習。 |
来歴 | 『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。 |
文学での言及 | |
実証的見解 | 蓬莱飾りは、古代中国で東の海上にある仙人が住む不老不死の山、蓬莱島を模したもの。 平安時代には酒宴などの装飾に用いられたが、室町時代になると来客の肴として出される ようになった。江戸ではこの習慣がなく、もっぱら、喰積という重詰めで賀客を饗した。 |
参考文献 |
蓬莱に聞かばや伊勢の初便 | 芭蕉 「炭俵」 | ||
蓬莱にかけてかざるや老の袖 | 去来 「そこの花」 | ||
蓬莱の麓にかよふ鼠かな | 西鶴 「温故集」 | ||
蓬莱や升の中から山が出る | 来山 「今宮草」 | ||
ほうらいの山まつりせむ老の春 | 蕪村 「安永四年句稿」 | ||
蓬莱に夜が明け込むぞ角田川 | 一茶 「七番日記」 | ||