落花(らっか、らくくわ) 晩春
子季語 | 花散る、散る桜、花吹雪、桜吹雪、飛花、花屑、花の塵、花埃、散る花、花の滝 |
関連季語 | 花 |
解説 | 桜の花が盛りを過ぎて散ること。花吹雪、桜吹雪といえば、吹雪のように花びらがいっせ いに舞い散ること。散り果てたあとも、花の塵、花屑といって愛でる。 |
来歴 | 『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。 |
文学での言及 | |
実証的見解 | |
参考文献 |
花散りてまた閑かなり園城寺 | 鬼貫 「高砂子」 | ||
四方より花吹き入れて鳰の海 | 芭蕉 「卯辰集」 | ||
いざ落花眼裏のほこりはらはせん | 芭蕉 「旨原百歌仙」 | ||
まづ知るや宜竹(ぎちく)が竹に花の雪-- | 芭蕉 「江戸広小路」 | ||
ちるはなや鳥も驚く琴の塵 | 芭蕉 「真蹟画讃」 | ||
阿古久曽のさしぬきふるふ落花哉 | 蕪村 「蕪村句集」 | ||
花散るや伽藍の枢おとし行く | 凡兆 「猿蓑」 | ||
花の塵酒の琥珀に吸せけり | 几董 「晋明集二稿」 | ||
人恋し灯ともしごろをさくらちる-- | 白雄 「白雄句集」 | ||
一筋の落花の風の長かりし | 松本たかし 「たかし句集」 | ||
しきりなる落花の中に幹はあり | 長谷川素逝 「素逝句集」 | ||
花屑のしづかにとぢぬ鯉のみち | 田中王城 「改造文学全集」 | ||
蹴ちらして落花とあがる雀かな | 川端茅舎 「川端茅舍句集」 | ||
荒々と花びらを田に鋤き込んで | 長谷川櫂 「天球」 | ||
吹きのぼり来し花びらの漂へり | 高田正子 「花実」 | ||
桜散るときメビウスの環のひかり | 五島高資 「海馬」 |