年玉(としだま) 新年
子季語 | お年玉、礼扇 |
関連季語 | |
解説 | 新年の祝儀としての贈り物。室町時代は酒や昆布を贈答し、江戸時代には扇、鼠半紙、明 治以降は金銭が用いられる。近年では子供に与える小遣いを指すことが多い。 |
来歴 | 『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。 |
文学での言及 | |
実証的見解 | 年玉は、歳神に供えたものを人々が賜わるという意味がある。賜わるものは餅であったり、 米であったりした。歳神は、もともとその年の豊作をもたらす神であり、歳神の魂が入っ た年玉をいただくことで繁栄がもたらされる信じられた。 |
参考文献 |
年玉に梅折る小野の翁かな | 言水 「京日記」 | ||
とし玉の蕪菜かろげや黒木うり | 蝶夢 「草根発句集」 | ||
とし玉や杓子数添ふ草の庵 | 太祗 「太祗句選」 | ||
年だまやわび寝の庵の枕上 | 召波 「春泥発句集」 | ||
とし玉のさいそくに来る孫子かな | 一茶 「九番日記」 | ||
年玉を竝べて置くや枕もと | 正岡子規 「墨汁一滴」 | ||
年玉や何ともしれぬ紙包 | 正岡子規 「獺祭句帖抄」 |