蝙蝠(こうもり、かうもり) 三夏
子季語 | かはほり、蚊食鳥、家蝙蝠、大蝙蝠 |
関連季語 | |
解説 | 蝙蝠は夏の夕暮れ、音もなく飛ぶ。蚊食鳥ともいわれるが、鳥ではなくほ乳類。 |
来歴 | 『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。 |
文学での言及 | 人もなく鳥もなからん鳥にてはこのかはほりも君に尋ねん 和泉式部『夫木和歌抄』 |
実証的見解 | コウモリ目「翼手類」の唯一飛翔できるほ乳類の総称。ネズミに似た顔を持ち、長く伸び た前肢の指の間に飛膜があり、それが翼に変形する。多くは種類が食虫性だが、中には果 実や花粉を食べる種類もある。食虫性の蝙蝠は十一月ころに冬眠に入る。冬眠直前に交尾 をおこない、春になって雌が冬眠からさめた段階で受精する。年一回、初夏に、一頭だけ 子供を生む。 |
参考文献 |
かはほりやむかひの女房こちを見る-- | 蕪村 「蕪村句集」 | ||
かはほりのかくれ住けり破れ傘 | 蕪村 「新花摘」 | ||
かはほりや月のあたりを立ちさらず | 暁台 「暁台句集」 | ||
かはほりや古き軒端の釣荵 | 暁台 「暁台句集」 | ||
我宿に一夜たのむぞ蚊喰鳥 | 一茶 「新集」 | ||
ぬかるみに木影うつらふ蚊喰鳥 | 富田木歩 「定本富田木歩句集」 | ||
かはほりや晒布襦袢の肌ざはり | 日野草城 「花氷」 | ||